6価クロム除去剤

新製品のお知らせ

弊社の6価クロム除去剤をご使用いただきありがとうございました。
これまでの GL-AO-C6R-I35は、完成した革に対して処理をするのに有効でした。(ご使用いただくシーンとしては、革を加工して製品とする革製品工場(後工程)が主体でした。)
また、液体でありましたので、輸送にコストがかかるなど問題がありました。
結果として価格も高くなり、製品コストへも影響していたと存じます。
更に、これまでの製品は、革の製造工程(前工程)への活用が難しいといった課題もありました。

これらの問題を解決するために鋭意開発を進めた結果、これまでの問題を解決した新製品を発売するに至りました。

新製品の名称

GL-AO-C6R-N2シリーズ

型番

前工程用 : GL-AO-C6R-N2(B) 50L用 / 100L用
後工程用 : GL-AO-C6R-N2(A) 1L用 / 10L用

※本製品は、2017年9月15日 日本時計学会において発表された新技術です。

使用工程イメージ

6価クロム除去剤GL-AO-C6R-N2シリーズ使用工程イメージ

注)N2販売開始に伴い、旧来のI35は廃盤とさせていただきます。
  これまで御愛用いただきありがとうございました。
  新型導入がスムーズになるよう、技術支援をさせていただきます。

使用方法

前工程用 AO-C6R-N2(B):粉末タイプ

処理液の作成

革の乾燥重量に対し0.3~1.1wt%のAO-C6R-N2(B)を、染色加脂後のフィニッシング時に加え乾燥させます。
ドラム内への投入時に、本剤を溶け易くするためには40℃程度の温水を利用すると効果的です。

前工程用 AO-C6R-N2(B):粉末タイプ 処理液の作成

N2(B)は、染色加脂処理後、ドラムに本製品を投入しご使用ください。
投入目安は、乾燥革重量の0.3から1.1%です。但し、処理剤の水に対する濃度が1.1%未満となる場合には1.1%として下さい。
(多量の水に僅かな処理剤では、十分な効果が得られません。本剤を容易に溶かすには水温を40程度に上げると早くなりますが、70℃以上にはあげないでください)

後工程用 AO-C6R-N2(A):粉末タイプ

処理液の作成

水600mL + IPA400mL の混合液を作ります。

水600mL + IPA400mL の混合液を作ります。

AO-C6R-N2(A) 1L用を1袋加えて溶かし、完成です。

AO-C6R-N2(A) 1L用を1袋加えて溶かし、完成です。

使用方法

AO-C6R-N2(A)(従来のI35と同じ使用方法です。)

処理方法

スプレーボトルに充填します。(筆塗り、浸漬などもできます)

スプレーボトルに充填します。

布に塗布して、乾燥すれば完了です。

布に塗布して、乾燥すれば完了です。 布に塗布して、乾燥すれば完了です。 布に塗布して、乾燥すれば完了です。

英興がご提案する6価クロム除去剤

世の中の多くの革製品はクロムなめし処理がされています。
このクロムなめしは3価クロムを用いて処理するのですが、その処理された革が日光や紫外線、気温の影響を受け6価クロムへと変化することが解かりました。
ヨーロッパではこの6価クロムを含む製品に規制が始まり、6価クロムを含む製品は輸出出来なくなりました。(欧州 REACH 規制Annex XVII Entry47※1)

6価クロム除去剤

私どもがご提案するこの除去剤は、そのヨーロッパ規制をクリアするため、シチズン時計株式会社により開発された製品です。

※1 2015年5月から、皮膚に触れる可能性のある革部品に3ppm以上の6価クロムを含有したものは、上市できなくなりました。

シチズン時計株式会社開発の6価クロム除去剤の大きな特徴

  • 1.6価クロムを3価クロムに戻す。(還元作用)
  • 2.3価クロムを6価クロムにさせない。(酸化防止)
  • 3.長期間上記の効果を維持する。(シチズン時計株式会社の革バンドに採用され、長期間の効果維持が実証されています。)
規制準拠(6価クロム)解決方法

クロムとなめし

動物の皮膚を加工して革を得るために”なめし”を行います。タンニン又は3価クロムを用いたなめしがありますが、耐熱性と弾力性に富む良質な革を得ることができることから、大半の製品がクロムによるなめしがされています。
3価クロムでなめされた製品は加工直後は無害で安全ですが、時間が経ち紫外線や気温変化の影響を受けることにより、製品中の3価クロムが6価へと変化します。

6価クロムの生成と、革の現状

右下の表は製品中のクロムを測定したものです。

6価クロムの生成と、革の現状

クロムなめしを施した革製品の測定結果

品名 総クロム量 6価クロム量
商品A 16362ppm 3ppm
商品B 12598ppm 検出限界以下
商品C 10080ppm 検出限界以下
商品D 9481ppm 検出限界以下
商品E 7141ppm 8ppm

3価クロムしか含まれないはずの革に6価クロムが検出された。しかも、総クロム量が一番小さな革に一番多く含まれている?

測定方法: REACH指定の測定方法(ISO17075)により測定
測定機関: SGSシンガポール(承認機関)
単位の説明: ppm = 1kgの中に1mg(耳かき1杯程度?)が含有されている濃度。 1000mg = 1g

製品が販売されるまでの保管環境によって、知らぬ間に6価クロムが生成する。

6価クロムの生成メカニズム

3価クロムは、熱・光・湿度などの影響を受け、6価クロムに変化することがあります。
酸化しやすい条件に革がさらされると、3価クロムが変化して、6価クロムになります。

6価クロムの生成メカニズム

生産直後に6価クロムの非含有を確認しても、
その後意図せず6価クロムを含有している場合があります。

処理中の革の変化(イメージ)

6価クロム除去剤GL-AO-C6R-N2シリーズ処理中の革の変化(イメージ)

その他、ご使用に際しては、取り扱い説明書をお読みになりご使用下さい。

6価クロム規制について

欧州 REACH Annex XVII の肌に触れる革製品に対する6価クロム規制は、3ppm以上の含有が禁止され、2015年5月1日に施行されました。
例えば欧州向けの革バンド製品も対象。皮膚に触れる可能性のある革部品を含む製品であり、その革部分が乾燥状態における3mg/kg(0.0003重量%、3ppm)以上の6価クロムを含有したものは、上市してはなりません。
罰則規定は、規制対象国の法律に基づきます。

ROHS → REACH の変遷

欧州規則 6価クロム規制 測定方法 測定方法の違い
ROHS指令 1000ppm IEC62321:2008 95度
3時間
REACH規則 3ppm ISO17075 常温
3時間

2015年5月1日より欧州 REACH 法規 Annex XVII Entry 47 実施

規制準拠(6価クロム)解決方法

GL-AO-C6Rシリーズを革に塗布することで、規制に準拠した革が得られます。

GL-AO-C6Rシリーズは、生成してしまった6価クロムを3価クロムに戻す機能(還元)と、革中に残留した本製品の成分が3価クロムから6価に変化するのを抑制することができます。

規制準拠(6価クロム)解決方法

塗布の方法

スプレーで裏面から塗布します。もちろん浸漬しても構いません。表面側も処理すると更に効果的です。

塗布の方法1塗布の方法2塗布の方法3

効果の確認

クロコダイルの革の例

クロコダイルの革の例

本剤で処理すれば、6価クロムが発生しません。

保存中にすでに6価クロムを生成したクロコダイルの革を用いて確認。
上記の数値はISO17075で測定した6価クロムの含有量。

Q&A

形態は?
アルミパウチ包装・粉末です。
使用水は?
市水も使用できます。但し、純水を使用すると不純物が少ないので効果が高まります。
保存は?
直射日光・高湿度・高温にさらされない棚に保存下さい。
期間は?
未開封で1年、開封後はその日中にご使用下さい。
海外工場でも購入できますか?
できる国もございますので、御相談下さい。
安全性は?
2014年より多くの時計バンド使用されており、問題提起はない実績ですが、全てを保証するものではありません。
革に対しての影響は?
世界中全ての革にたいして保証はできかねますが、多くの革に使用できます。あらかじめ影響を確認の上ご使用下さい。
革の表面からも処理できますか?
白や黄色、表面に樹脂層のある革にはご使用になれません。
適用例(シチズン時計株式会社、『時計革バンド』での6価クロム除去効果実証済み)

製造・販売元(品質責任、製造物責任): 広州広瀧非織造布有限公司
住所: 中国広州市白雲区太和鎮米龍五社上南工業園2号

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京都・大阪・名古屋・福山・金沢・久留米・横浜に拠点を持ち担当者が豊富な知識で対応させて頂きます。

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